やり抜く人の9つの習慣  ーコロンビア大学の成功の科学ー ハイディ・グラント・ハルバーソン

この本は、

「才能が成功に導いた、のではなく、

 ある種の思考や行動によって自らを成功に導いている」

そういう人に共通する思考や行動を「9つの習慣」にまとめたものである。

■1つ目の習慣 :目標に具体性を与える

 ・メンタル・コントラストで成功確率を高める

  「私にとって成功とは何か」「成功への障害は何か」

   この2つを繰り返し心の中で考える=メンタル・コントラストという

 ・具体的方法

  ①目標を達成し、成功したときの「感情」をしっかり味わう。

  ②その時に起きている周囲の様子、周囲の声を明瞭にイメージする  

  ③そこに至るまでの障害を考える

 ・「今の自分に足りないものは何か」「何をなすべきか」を自覚する

   →「望み」「願望」を手の届く「現実」にできる

 ・「成功した自分」と「今の自分」とのコントラストを考えること。

■2つ目の習慣 :目標達成への「行動計画」をつくる

 ・現状:やるべきことが多過ぎて何から手を付ければいいかわからない。

 ・「いつ何をやるか」を予め、予定に入れておく

 ・「if・thenプランニング」=「もしこうなったら、こうする」

   →心理学で効果実証済み

   →事前に「いつ」「何を」やるかをはっきりと決めておくと

    実行できる確率は2~3倍に高くなる

  ・脳は、「XならY」という文章を記憶しやすい。

  無意識のうちにそれに従って行動することができるようになる。

 ・「事前にするべきことをはっきりさせておく」ことで、

  「意識しなくても」行動すべき時に自動的に行動できる。

   この意識しなくてもということが重要。

■3つ目の習慣 :目標までの距離を意識する

 ・ただがむしゃらに努力するのではなく、

  日々、どれだけ進歩したのかを確認すること。

 ・「フィードバック」で目標との距離を確認する。

 ・「これから思考」を重視して、目標までの距離を測ると、

   モチベーションは維持される。

 

■4つ目の習慣 :現実的楽観主義者になる

 ・「非現実的な楽観主義者」になることなく、「現実的な楽観主義者」であれ。

 ・それは、成功を望み、それに相応しい努力をする人

 ・どうやったら「現実的な楽観主義者」になれるか?

  ①自分の前に横たわる課題や困難から逃げないで、しっかり見つめること。

  ②課題や困難がどの程度のものなのかを検討すること。

  ③成功をビジュアライゼーションするだけでなく、

   成功するまでのステップと取るべき行動を

   ビジュアライゼーションすること。

■5つ目の習慣 :「成長すること」に集中する

 ・「今できなくても、できるようになる」と信じることが大切。

 ・「私は、自分が望むように変ることができる」

 ・「今、何ができるのか」ではなく、

  「これから、何ができるようになりたいか」を考えるようにすること。

 ・「新たなことに自信と活力をもって挑戦する方法」とは、

  「失敗してもいい」と開き直ること。

 ・目標には、「証明ゴール」と「成長ゴール」がある。

   ①証明ゴール:「自分にはそれをする能力がある」、「私はやり方を

    知っている。」ということを証明するためのゴール

     →「自分には本当にできるのだろうか」という不安にとらわれてしまう。

   ②成長ゴール:「能力を伸ばして今までできなかったことをできるようにする」   

    ことが目標の焦点

 ・自分が成長している実感があるとき、仕事を楽しみ喜びを感じることができる。

  成長を実感する充実感「完璧」を目指す緊張感とは全く別のもの。

 ・興味のある課題に取り組む人は活力の高い状態を維持できる。

■6つ目の習慣 :「やり抜く力」を持つ

 ・「固定的知能観」を持つ人は、「うまくいかないのは自分に能力がないせいだ」

   と考える。成長がない。

 ・「拡張的知能観」を持つ人は「努力不足だった」「戦略を間違えた」などと

   自分の努力や行動のせいにする。

■7つ目の習慣 :筋肉を鍛えるように意志力を鍛える

 ・意志力は有限である。使うと消耗するものだ。

  尽きたと感じたら少し休んでから新たなことに取り組もう。

 ・最初は小さな目標に取り組み意志力を鍛える。

■8つ目の習慣 :自分を追い込まない

 ・二つの困難な目標に同時に取り組むのは避ける

 ・目標に対して、できるだけ簡単な方法を見つける。

■9つ目の習慣 :「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する

 ・「~しない」という目標を「~する」に変える

 ・if-thenプラン「もし~したいと思ったら代わりに~をする」