「頭のゴミ」を捨てれば。脳は一瞬で目覚める!  苫米地英人著

【副題】

頭のゴミは人生の邪魔をする。

大掃除するために行なうこと:

・やる気スイッチをつくらない

・他人の言葉は聞かない

・これまでの自分を丸ごと捨てる

・ポジティブな自己対話をする

・食えなくなる、という恐怖を捨てる・・・など

もっとできるはずなのに、いつも「ちょっと残念な人」なのはなぜ?

ゴミだらけの頭を大掃除して、あなたの眠れる実力引き出す8つの方法・STEP

 

■ STEP1:イライラ、怒り、嫉妬・・・生産性を下げる「感情のゴミ」を捨てる

・万物は情報量の多寡で階層化できる。

 情報量が多い=抽象度が低い=視点が低い→感情に支配される

 多くの人は、目先の情報に追われ整理することなく生きている。 

・「常にゴールのために行動する」ゴールがあれば一瞬の感情に振り回されない。

・「楽しい、嬉しい、幸せ」という気分は風向きが変われば

 瞬時に吹き飛んでしまうから目指してはいけない。

 目指すべきは、「ゴール」だ。

「すべての感情を娯楽にすること」

「ゴールに無意味な感情は捨て、ゴールに意味のある感情だけを味わうこと」

  ゴールに意味のある感情だけを自分に許可せよ

・感情の乱れに支配されているあなたにとって、まず必要なのは、

 自分が心から望むゴールを持つこと

・私たちは生きている限り心に傷を負う。「理不尽」に思うことがある。

 「自分にも責任がある」と考え、客観的に状況を見ようと努め、

 自分の責任も認めること。

 私たちは生きていく以上、様々な「理不尽」を引き受けていかねばならない。

 それが生きていくということだからだ。

・抽象度を上げた世界から眺めることができれば、

 努力するまでもなく感情は自然とコントロールされる。

・すべての病気は自己表現である。

・抽象度を上げれば、心の傷を負っているのは自分だけでなく、

 誰もが心の傷を抱えて生きていることが分かる。

・抽象度を上げることで、私たちは自分中心であることから解放される。

 心を傷つけられることがあってもその感情の乱れに振り回されることがなくなる

・本当のゴールとは、自分が心から実現したいゴールだ。

 自分が心からやりたいことに向かっているなら、

 常に密度高く集中して仕事を進められる。

 やりたいことをやれば脳が目覚める。

 

■STEP2:満たされなさと焦燥感・・・「他人のモノサシ」というゴミを捨てる

・「自分」って何?  自分とは、情報の網の目の一部である。

・脳は、無数の情報の中から自分にとって重要な情報だけを認識得る

 スクリーニングシステムが備わっている。

 そのシステムをつかさどる部位は「脳の基底部にあり、

 「RAS(網様体賦活系)」と呼ばれている。

 私たちは、自分に関係があると思う情報だけ受け取るようにできている。

 関係ない情報はシャットアウトされる。

・重要だという判断基準さえも私たちは外部の他者からインプットされている。

 例えばTVコマーシャル他からのインプット。

自分自身の価値観だと思い込んでいるものが実は他者から刷り込まれた

 価値観であり、自分のモノサシで生きていると思いながら、

 本当は他人から与えられたモノサシで生きている、

 それがあなたの真の姿だ。

・他者からの刷り込みをもとに思考し、行動し、その結果で頭の中を

 モヤモヤでいっぱいにする。私たちはそれを繰り返している。

・「あなたの欲しいもの、理想像がどんなものですか?」 本音で答えてください。

 自分にうそをつかないこと。

 世間の通念や他人の目をきにしないこと。

 自分の本音の願望を頭の中で膨らませてください。

 自分のモノサシで生きよ。

 他人から与えられたモノサシを捨てること。

 頭に詰め込まれた「他人」があなたの本来のエネルギーと能力をブロックしている

・比較するからモヤモヤする

 私たち一人一人は網の目の点だ。網の目の点に大小の差も優劣の差もない。

 なのに人に優劣をつけるのは社会のゴミのような価値観だ

 仕事の成績が良い人が優れていると感じるなら、

 それは会社のモノサシというゴミで頭が占領されているからだ

 あなたは自分なりのモノサシで自分の価値を計ればよい。

 自分のモノサシで自分の仕事ぶりを評価し、

 自分のモノサシで、ワークライフバランスを計り、

 自分のモノサシで自分の働き方生き方を決めていけばいいのだ。

 世間は何事も数値化して比較するのが大好きだが、

 すべては社会のゴミのようなモノサシだ。気にするな。

・競争原理というモノサシでは、勝っても、負けても頭の中は永遠に

 モヤモヤだらけだ。

 これからは、競争する以外で自分の価値を自分で計るオリジナルの

 モノサシを持つのだ。

 ・世間で訳知り顔で幅を利かせている「常識のモノサシ」に

 振り回されることをやめる。

・周囲の目もゴミ

 

■STEP3:変わりたいけど変われない・・・「これまでの自分」というゴミを捨てる

自分は人見知りで積極性が足りないと子供の頃から言われてきた、

 もっと明るく楽しい人間になれたらな。

 やる気も責任感も能力もない部下がいる、どうすれば奴は変わるだろうか

 モテたいと思って服も髪もトレンドできめているのにモテない、

 モテる人の秘訣を知りたい。

・「仮想の自分」と「過去の自分」を捨てる

 あの時あのようにしていたら今はもっと幸せだったのに、という考え方に陥りがち。

・「これまでの自分」を丸ごと捨てる

 ゴミでいっぱいの「これまでの自分」を一度ゼロにする。

 そして自分が本当に望むものを自分のモノサシで選び直す。

 それが「自分を変える」ということ。

 後悔ない人生を歩みたいなら、「これまでの自分」を丸ごと捨てる覚悟が必要。

未来が過去をつくる、未来が最高なら過去も現在も最高

 西洋のモノサシ:時間は過去から現在、未来へと流れている

 アビダルマ仏教哲学(現代分析哲学):

  時間は未来から現在、過去へと向かって流れている

川の上流から赤いボールが流れてくる。しかし、そのボールをあなたは取れなかった

 しばらくすると、今後は青いボールが流れてくる。

 この青いボールが流れてきたこと(未来)と、あなたが赤いボールをとれなかった

 こと(過去)とは何の関係もない。過去は未来に何の影響も与えていない。

 このように、時間は、川の上流という未来から、あなたが立っている現在へ、

 そしてあなたの後方の過去へと流れていく。

・「過去の延長線上に未来がある」という前提で部下を見ている、

 その結果どうにも使えない、一人前になるとは思えない、と判断する。

 できない時期があったからこそ大きな学と成長があったという過去に変わる。

・良い未来から逆算してみればどんな現在も過去もよい未来をつくるために

 必要な出来事なのだ。

 「時間は未来から過去へ向かって流れている」

 「過去は自分の未来に影響を与えない」

 「未来が過去をつくる」

 「未来は最高だと確信すれば、過去も現在も最高である」

 これが万人に共通する時間の原則である。

 ・「ラクでいたい」と「変わりたい」の狭間で

 未来ベースの時間軸に立ち、ホメオスタシスを利用すれば、

 これまでの自分をリセットし自分を新しくつくり変えることができる。

  ホメオスタシス:整体を安定した恒常的状態に保とうとする機能

  コンフォートゾーン:ラクでいられる範囲

 人が変わろうとしても変われないのは、

 このコンフォートゾーンとホメオスタシスが原因

・「自分」は書き換え可能な「情報状態」

 

 ホメオスタシスのフィードバックが後ろ向きか、前向きかで、

 あなたの思考と行動が大きく変わってくる。

 人間には、このホメオスタシスの機能が、体温など物理空間での生体安定

 だけでなく、情報空間に対しても働いている。

 このフィードバックをよい方向に転換すれば「自分を変える」ことができる

 

  一人ひとりの脳と心が認識しているもの、それが一人ひとりにとっての世界だ。

 それを「内部表現」と呼び、一人ひとりの内部表現が何で成り立っているのか

 というと、他者との関係性で成り立っている、情報の網の目の一点で、

 書き換え可能だ。

 過去ベースの考え方を捨て未来ベースの考え方に切り替える。

 自分の未来は最高であると確信して生きている人は

 過去の自分も今の自分も最高の自分になる。

 

■STEP4:自分に自信が持てない・・・「マイナスの自己イメージ」というゴミを捨てる

・世界は言語でできている

 なりたい自分になっていくうえで重要なのが、言語のコントロール

・頭のモヤモヤは、言語でできているといってもいい。ゴミは言語空間にあるのだ。

 自分自身が自分に対して、日々刷り込みを行ない。モヤモヤを量産している。

 常に頭の中で次のような自己対話をしている。

 ネガティブ:

 「会社行きたくねー」「なんだ、このオヤジ、イライラするな」

 「そんなことできるわけねーだろ」「だるー」「帰って寝たい」

 「トロトロすんな、サッサとやれよ」

 ポジィティブ

 「よっしゃー」「ああ、よかった、ほっとしたぜ」「ありがとう」

 「がんばってよかった」「きれいな夕焼けだ」

 しかし、圧倒的にネガティブな自己対話の方が多い。

 なぜなら、多くの人の自己イメージがマイナスに偏っているからだ。 

 ・人は自己イメージの通りに行動する

 あなたの自己評価は、子供の頃から聞かされてきた他人の言葉でつくられてきた。

 親の言葉:お前は気が小さい。あんたはブサイク。体が弱い。根性がない。 

 我慢が足りない、・・・など。 

 本人も自己イメージを固め、本当にそのような大人に育つ。

 マイナスの自己イメージを持っているということは見えないロープで、

 今いる場所に縛り付けられているようなものだ。

 自己イメージから根本的に変えない限り人はかわることはできない。

 マイナスの自己イメージを捨てるためには、「言語のコントロール」が重要。

・「失敗体験は二度と思い出すな。

 私たちは1日におよそ100回、自分を定義する言葉を口にしたり、

 心の中で発したりしている

 こういう自己対話は、自己イメージから出てくる。

 自己イメージに沿って自己対話が行なわれ、

 自己イメージとブリーフシステムがますます固定しまう。

 このように私たちは言語で強力な縛りを受けている。

 「自分は○○な人間だ」という信念は、

 「言語」「イメージ」「情動(感情)記憶」の三つの要素でできている

 例えば上司に怒られたときのことを思い出して

 「あの時は最悪だったなという自己対話(言語)」をした途端に、

 「怒られている自分というイメージ」と

 「みじめな自分という感情記憶」が  セットになって立ち現れる。

  その時脳では失敗をもう一度体験したのと同じ臨場感が生まれる。

 実際に起こっているような場面に身を置いているような生々しい感覚を感じる。

 失敗体験の反芻は頭のゴミだ。

ポジティブな自己対話こそ重要

 固定化したネガティブなブリーフシステムはどうすれば変えることができるのか。

 マイナスの自己対話が多いのは、褒められるより叱られることが多いこと

 からも分かるように、他者からの言葉がマイナスであることが多く、

 それに基づいてマイナスの自己イメージができているからだ。

 これは機能脳科学的に見ても自然の帰結である。

 人間の学習は失敗から生まれる。

 生命を維持するために同じ失敗を繰り返さないように

 脳は失敗体験を強く記憶する。

 もともと私たちは、ポジティブな記憶より、ネガティブな記憶の方が

 強く残るようにできている。

 失敗によって自己評価を下げないこと

 「こんなのは自分らしくない。もうしないぞ」と考える。

・エフィカシーの高い人の頭にはゴミはない

 efficacy:自分の能力に対する自己評価、

 高いエフィカシー:自分には行動力と発想力がある

 positiveな自己対話をルールにすること。

・他人はあなたの過去しか見ていない。

 他人の意見は何度も何度も聞かされ、それを受け入れれば、

 自己対話と同じ効果をもたらす。

 確かにそうかもしれないという自己対話を生み自己イメージに上書きされる。

 他人の話を聞いている時、私たちは話している人の言葉に対して

 3倍の速さで自分自身に言葉を発する。

 話が楊だ時は6倍の速さになる。

 他人との会話によって膨大な自己対話が誘発される。

 他人の意見全部に共通すること、それは、あなたに何かを言う相手は、

 昨日までのあなたの過去に基づいて話をしている

・自らを拠り所にせよ

 あなたの自己評価を下げる相手はドリームキラー夢をつぶす人。

 あなたの周囲はドリームキラーであふれている。

 このドリームキラーを撃退する一番の方法は、夢を他人に話さないこと。

 そして最大のドリームキラーは自分自身である。

 negativeな自己対話があなたの頭のゴミを増やし夢をつぶす。

 釈迦がいった「自帰依自灯明:じきえじとうみょう」=「自らを拠り所とする」

 

■STEP5:「なりたい自分」になるためにまずは「我慢」というゴミを捨てる

・我慢は危険

 頭がモヤモヤしてすっきりしない理由、

 集中力が続かない理由、

 発想力や生産性が上がらない理由は、「やりたくないことをやっているからだ

やりたい(WANT TO)ではなく、やらねばならない(have to)ことばかりして

 生きているから、毎日、頭の中がモヤモヤする。

 やりたくないけどやらないといけない、という考えが、

 あなたのセルフエスティームを深く傷つけることになる。

 セルフエスティームとは自己尊重。自分の存在そのものに対する自己評価、

 という意味。

 「やらされ感」「強制されている感」というものは、あなたのセルフエステームを

 傷つけ潜在能力を大きく低下させてしまう。

・「我慢」は頭のモヤモヤと生産性ダウンの大きな要因の一つ

・やりたくないことをやめる思考実験

 ①「やりたくないこと」を5~10個書き出す。内容は、仕事、家庭なんでもOK

 ②その中で、「一番やりたくないこと」を選ぶ。

  我慢のもとが1個か、数個の原因に集約されることほとんど。モヤモヤが少し減る

 ③その「一番やりたくないこと」をやめてみる。実際は躊躇してしまうので、 

  これを思考実験の中でやってみる。

  「やめたらどうなるか」「やめるにはどうするか」を考える

・我慢しなくても本当は大丈夫

 やめても意外となんともないことに気付く。

 「やりたくないことを我慢してやる」ことがコンフォートゾーンになっていて、

 「やらなくても大丈夫」ということがスコトーマに隠れて見えなかったからだ。

  

■STEP6:やりたいことがわからない・・・「自分中心」というゴミを捨てる

 ・「ゴールを設定する」

 ①捨てるべきものを捨てたあと、自分に本当に必要なものを、

  自分のモノサシで選び直すためにゴールを設定する

 ②「捨てねばならないから捨てる」のではなく、すべてがwant toに変わるために、

  ゴールを設定する

 ・ゴール設定の基本:

 かっこうつけて本音にフタをしないこと、

 自分の心の中だけでいいので本音を開放しておく

 なぜなら、あなたの本音は間違いなくあなたのwant toだからだ

 本音にフタをするのは、他人の目を気にしている証拠だからだ

 自分に嘘をつかないこと。世間の通年や他人の目を気にしないこと。

 自分の本音の願望を頭の中で膨らませ、他人のモノサシではなく自分の本音で

 生きること。

 ・自分だけの幸せはありえない

 自分以外の人も一緒に幸せになってこそ人間の幸せである、

 それが本当の幸福ではないか

 ・みんなが幸せだから自分も幸せ、という幸福感は、

 特に現実離れしたものではない。日常レベルで感じているもの。

 自分の快感だけを求める「ゴリラの幸せ」か、

 他人が幸せであることで自分も幸せを感じる「人間の幸せ」か

・自分を犠牲にして感じる幸せ、その脳の部位は、前頭前野眼窩内側部と呼ばれる場所

 これをどう使うか?

 「抽象度を上げより多くの人のためになれるゴールを設定し、

  そのゴールに向かっていく過程で前頭前野眼窩内側部を発火させていくこと」だ

やりたいこと、本気になれることが見つからない理由

 「自分中心に考えているから」

 「自分が何をすれば他人が喜ぶだろう?」という視点で考える、これが近道。

・ゴール設定の基本条件

 「自己中心」というゴミが人々の頭を曇らせている

 「自己中心」であることを捨てることにより、やりたいことが見えてきたり、

 これまで味わったことのない抽象度の高い幸せ、人間の幸せを

 感じたりすることができるのだ。ゴールを設定する前提条件だ。

 自分の本音にフタをしないこと。自分中心であることを捨てること。

 本音のwant toをスタートにして、抽象度を上げていく。

 本音を満たすと同時により多くの人たちの役に立てるゴールを考える

 ゴールは壮大すぎる、実現不可能だと思えるものとする。

 すなわち、ゴールは必ず現状の外に設定すること。

 なぜなら、そのゴールに向かってホメオスタシスが働き、

 コンフォートゾーンが移動するから。

 自己啓発で一般的に言われている

 「ゴールは実現可能なものにすべき」という説は誤り。

スコトーマが外れる快感

 脳は「臨場感が高い方」を「現実の自分」として選び、

 その自分に合わせてコンフォートゾーンも移動し、スコトーマが外れ、

 見える風景が変わる。

 現状の外にゴールを設定したとき、

 そのゴールへの道筋は見えていなくてもかまわない。

  現状の外にゴールを設定するなら、ゴール側にコンフォートゾーンがずれ

 スコトーマが外れ、それまで見えていなかった道筋と方法がパーンと

 浮かび上がってくる。これは真に鮮やかでワクワクするような体験。

 ①現状の外にゴール設定

 ②新しいコンフォートゾーンを高い臨場感でイメージ

 ③ホメオスタシスが変化

 ④コンフォートゾーンがゴール側に移動

 ⑤スコトーマが外れる

 このサイクルを繰り返すことで最初実現不可能と思われたようなゴールに向かって

 着実に近づいていくことができる。これはアメリカで発展したコーチング理論で

 広く知られてクライアントたちがことごとく体験している。

・脳の判断基準は臨場感

 「リアル=現実」とは何か?

 物理的な手触りや光や音や匂いがなくても本人の脳がリアルだと感じていれば

 それがその人にとっての現実なのだ。

 現代認知科学でも、リアルとは「今、自分が臨場感を感じている世界」という定義

 例えば、映画を見ていたとき、突然、あの時の友人の心の動きが分かった、

 という経験。

 これは、映画の臨場感に対してホメオスタシスが働きコンフォートゾーンが

 ずれてスコトーマが外れ、あの時分からなかったことが突然分かった。

 ゴールに向かっていくためにはつくり上げたイメージに対して

 自分でホメオスタシスのフィードバックを変えていかねばならない。

 自分の脳の認知機能に対して意識的に介入していく。

 そのカギとなるのが「臨場感」

 イメージの臨場感が高いほどホメオスタシスのフィードバックは強くなり、

 コンフォートゾーンの移動もスコトーマの外れ方も大きくなる

 従って、コンフォートゾーのイメージに対して臨場感を高く持つことが重要。

 例えば、前屈実験で体がゴムのように柔らかくなったのをイメージして前屈すると

 最初より深く前屈できる

 「瞑想のときには頭の上のバターが溶けていくイメージをするとよい」という。

 過去の成功の感情を新しいコンフォートゾーンのイメージに貼り付け

 それを何度も繰り返していくことによって新しい現在の記憶が

 無意識に刷り込まれていく、そして新しいコンフォートゾーンのイメージの

 臨場感も高まっていく。

 ゴール実現に必要なすべてがwant toになり、努力なしにゴールへ

 近づいていくことができる。

 これが前向きなホメオスタシスの働きのすごいところだ。

頭のゴミを捨てるために一番重要なのは

 「現状の外に設定したゴールに向かって

  新しいコンフォートゾーンの臨場感を高めていく」こと。

 

■STEP7:失敗するのが怖い・・・「恐怖」というゴミを捨てる

・恐怖というドリームキラー

 ゴールまでの明確なルートマップを作成できるという事は

 そのゴールが延長線上にあるということ。そのゴールはあなたを変えることはない。

 現状の外側のゴールに向かって踏み出そうとするからこそ、

 ホメオスタシスのフィードバックが変わりあなたの未来が変わるのだ。

 慎重過ぎる人は現状の外に出られないことになる。

本当のコーチング理論:「最初にゴールまでの道筋が見えている必要はない。

 道筋が見えているならゴールと呼べない。」

・不安と恐怖

 これは人々を現状に縛り付け、人々の可能性を殺す、目に見えないドリームキラー。

・何のために働くのか?

 ありもしない恐怖に支配されるな

 人類は600万年の歴史のほとんどを飢餓への恐怖と共に生きてきた。

 その飢餓への恐怖が脳の大脳辺緑系の扁桃体に刻まれていると考えられている。

 この扁桃体は主に生命の維持に関わる情報を処理している。

 これが現代においても仕事がなくなるという想像をすると引っ張り出されてしまう。

 しかし、現代の日本において仕事が無くなったからと言って飢餓する可能性はない。

・恐怖を悪用する人々

 恐怖は人を支配するための強力なツール。

 自己利益のために他人の飢餓の恐怖を利用している人々もいる。

・「食えなくなる」という恐怖を捨てよ

 会社を辞めたら食えなくなる、食うために働く、のは「ウソ」

「失敗」はあり得ない

 自分の未来は最高であると確信して生きている人にとって

 どんな過去の自分もどんな困難にある現在の自分も最高の自分になる。

 最高の未来から振り返れば「失敗」というものない。

 最高の未来のために様々な出来事が必要だった、ということ。

 だから、失敗を恐れる必要はない。

 最高の未来のためには、どんな波乱万丈もウェルカム。

 そう考えられる人がゴールを実現できる。

・「食えなくなる」というな

 辞めた後のことは辞めてから本気で考えよ。

 スコトーマの原理では、「現状の中」にいる人には「現状の外」は見えない

 会社の中にいながら考えた退社後の道筋はしょせん会社勤めの延長線上にすぎない。

 会社を辞めることでホメオスタシスが変わりスコトーマが外れ、

 見える景色が変わり、その先の道筋が見えてくる。

 著者の経験からのアドバイス

 「会社を辞めた後のことは辞めてから本気で考えよ。そして本気で行動せよ」

・恐怖の感情を消すルール

 現代の日本では交通事故や通り魔事件に巻き込まれる危険を除いて

 日常的な身の危険はない。

 実際には、人々は日常的に何かを恐れ頭の中をモヤモヤとさせている。

 恐怖で思考が乱れ生産性が落ち、仕事が手に付かなくなったりする。

 オレは何があってもビビらないという自己イメージを高め

 「すべての感情を娯楽にする」「ゴール達成に意味のある感情だけを

 自分に許可する」というルールを自分に課して実行すれば恐怖の感情は消える。

・恐怖を吟味する

 ①感じて当然の恐怖

 ②感じても意味のない恐怖

  ⇒いたずらにおびえるのをやめて恐怖の原因を消すために行動するやるべきことを

   やった後は淡々と結果を待つ。

   それでも怒られるような結果になればその場で適切に対処する。

   つまり、恐怖の感情に振り回されるのではなく原因を消すために

   頭と体を使うこと。これが感じても意味のない恐怖を消す方法だ。

  

■STEP8:「論理へのとらわれ」というゴミを捨て「ひらめき脳」を手に入れる

・天才はAからDへ行く

 透明人間をテーマにした映画「インビジブル

 同僚はD(答え)を求めて論理的にA→B→Cと順を追って思考して、

 B,Cで行き詰まっているが、

 天才的な主人公はAから一気にDへ行くことができる。

 これが頭のいい人の思考法の秘密であり天才的なひらめきを生む秘訣だ。

 答えがある問題というものは分かる時には一瞬で分かるもの

 その1秒と数時間を分けるものとは?

・言語の限界

 歩くという動作を言葉で正確に記述することができない。

 いくつもの要素と事象が絡みながら同時に複合的に展開しているのに

 それを順を追って整理しようとしても無理。

・全体が分かる事で部分が分かる

 現実の事象は全体と部分が双方向に関係している

 全体が分かることで部分が分かる

 ニュートン古典力学の17世紀から1980年代半ばまで、「部分が全体をつくる」

 という考えがスタンダードだった。いわゆる構造主義の考え方だ。

 全体と部分の双方向の関係を「ゲシュタルト」という。

 このゲシュタルトによって事象を認識する能力を「ゲシュタルト能力」という。

・頭のゴミが多い人は「部分の迷路」に迷い込む

 論理(部分)を追っているうちに論理(部分)の迷路に迷い込むということが、

 あなたの思考とひらめきを曇らせる頭のゴミの正体だ。

 ゲシュタルトができていないからだ。

ゲシュタルトが出来ている頭のいい人

 部分を追いながら常に全体が見えている。

 部分にフォーカスするのも全体を俯瞰するのも自由自在にできる。

・現状の外のゴールは、ゲシュタルト能力によって叶う

 「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に臨場感という橋を

 架けることで、現状の自我が認識できる部分情報と、ゴールの世界(全体)との間に

 双方向性が働いてゲシュタルトが作られる。

・私たちはこの世に生まれ落ちた時から様々な他者から洗脳を浴び続けている。

 「現状の環境」と「自我」の間にゲシュタルトを築き無意識にそこを

 コンフォートゾーンにして生きてきた。

 いわば、社会的洗脳状態というゲシュタルトを日々強化しながら生きている。

 それでは私たちは本来持つ無限のポテンシャルは発現できない。

 「現状の外のゴール」を利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も

 関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる。

・抽象度を上げて知識を増やす事が必要。

 ゲシュタルトゲシュタルトを合わせて新たなゲシュタルトをつくることができる。

 ゲシュタルトが大きければちょっとした情報のアウトプットに対し

 多様なアウトプットができる。

 「ひらめき」は論理からは生まれない、「ひらめき」を生むのはゲシュタルトだ。

 興味を持って取り込みゲシュタルトの一部となった知識は取り出したい時に

 自在に取り出すことができる。

 バラバラだった情報がつながり、ゲシュタルトができるという体験は、

 物と名前が結びついたヘレンケラーのように大きな喜びを伴うものだ。