百田尚樹の新相対性理論 人生を変える時間論

はじめに

= 第1章 すべては「時間」が基準

物理的な時間を長く生きても「長生き」にはならない 12

すべての道具は「長生き」のために作られた 18

人類の発明品はすべて「楽しい時間を生み出す」ために作られた 24

「時間の長さ」は心で決まる30

なぜ年齢で「時間」の流れの速さが変わるのか 36

楽しい時間が早く過ぎるのはなぜか? 4

「苦しい時間」が「楽しい時間」に変化する不思議 

 

第2章 現代社会と「時間」 5

人間社会は「時間」の売買で成り立っている

金を盗むのは「時間」を盗むのと同じである 6

殺人は「時間」を奪う究極の犯罪 7

「才能」とは、同じことを他人よりも短い時間でやれる能力である 22 人類が戦い続けてきたのは「早さ」と「重さ」である 

 

第3章 時間はあらゆるものに交換可能 9

社会は「時間の交換」によって成り立っている 9

使わない金は石ころと同じである 100

私たちが所有しているすべての品物は「時間」を換えたものである 100

言葉は人類が「時間」を超えるために作られた 14

人類が「時間」の壁の前に敗れる時 20

「時間」は失った時に初めてその大切さを知る 

 

第4章 私たちの「時間」を奪うもの 19

現代人が最も恐れるのは「退屈」である

娯楽の多くは退屈を恐れるために作られた 60

「時間」を買わされている現代人 4

「時間」はあらゆることに交換可能だが、それを再び「時間」に戻すことはできない 5. 世界の富をすべて使っても「二十歳の一日」を取り戻すことはできない 自殺は究極の「時間の投げ捨て」

 

第5章 「止まれ、お前は美しい!」 1

恋愛の喜びは「時間の共有」にある 17

「慣れ」の恐ろしさ 60

古代人が壁画で本当に描きたかったものは何か? 88

芸術のみが「エネルギー保存の法則」を超える 9

成功を望むなら「今やるべき」ことを今やる

具体的には、以下のとおり。

人生の成功の秘訣

「ここで「成功」ということについて考えてみましょう。 人生の成功は金や地位だけでは ありませんが、社会的に「成功者」と言われている人には共通点があります。それは「時間を無駄にしない」生き方をしているということです。これは別の言い方をすると、 「や ることの優先順位を間違えない」ということです。

「今やるべきことを、今やる」

人生の成功の秘訣は、実はこんな簡単なことの繰り返しなのです。 しかしこれは恐ろし 難しいことです。 今これをやらなければならない」と頭でわかっていても、それがで きない自分にうんざりしたことがない人はいないでしょう。もちろんかくいう私もその一人です。

英国の歴史学者政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンは示唆に富むいくつも 興味深い人生の法則を発見していますが(「パーキンソンの法則:進歩の追求」)、私が若い 時に思わず膝を打った一つに、「仕事の量は、完成のために与えられた時間いっぱいに 膨張する」というものがあります。

これはたとえば、その仕事をするのに五日の猶予が与えられれば、その仕事を終えるの はきっちりと五日後になるということです。たとえそれが三日で終えることができる仕事であってもです。

 

この本を書くにあたり、過去の偉人たちが「有限である時間」をどのように見ていたか を調べました。すると「時間の浪費」を戒める先人たちが実に多いことに気付きました。

「時間の浪費ほど大きな害はない」(ミケランジェロ)

「賢い人間は時間を無駄にすることに最もいらつく」(ダンテ)

「成功者のほとんどは他人が時間を浪費している間に先へ進む。私はこれを見てきた」 (フォード)

偉人たちの名言集にはこうした言葉がどんどん出てきて、読んでいくと、時間を無駄に 生きてきた私自身の心にぐさぐさと突き刺さって苦笑するばかりでした。

最後に最も恐ろしい言葉で、この本を締めくくりましょう。これはナポレオン・ボナパルトの言葉です。

「お前がいつの日か出会う禍は、お前がおろそかにしたある時間の報いである」