成功の実現  中村天風著

【誓詞】

 今日一日

 怒らず、恐れず、悲しまず

 正直 親切 愉快に

 力と 勇気と 信念とをもって

 自己の人生に対する責務を果たし

 恒に平和と愛とを失わざる

 立派な人間として生きることを

 厳かに(おごそかに)誓います

 

【観念要素の更改】

 寝る前と朝起きた時、3秒でできる潜在意識の書き換え法で

 天風先生が実践して効果があった方法

 ー鏡暗示法ー

 ・寝る前に、鏡に映る自分の眉間を見ながら

  「お前は、信念が強くなる」 と言う

 ・起床後に、鏡に映る自分の眉間を見ながら

  「今日は、俺は、信念が強いぞ」 と言う

 ・昼間

  「俺は、信念が強いんだ」 と言う

 

■「力」の編

第一章 人生礼讃

・「そもそも人間とは、幸福でありうるものか、否か」

 「人というものは、健康や運命に対して強いものか、否か」

 ということを、皆さんは考えたことはありますか?

・幸福なんてものは、一つの想像のようなもので、

 なかなか思うように我がものにならない。

 幸福になりたい、幸福でありたいと考えながら、

 棚の上のものを下に降ろすようなわけにはいかない、

 と断定をしている人が多い。

・生存競争が激しく、一時半時も心がくつろげない。

 「一体何に追っかけられてるんだ?」

 「何を追っかけてるんだ?」

 と聞いてもはっきり答えられないほど、

 ただもう何となくあくせくと滅茶苦茶な人生に生きて、

 とてものどかな人生などというものは、想像するだけで、

 現実に味わえずに生きている人が多い。

・一日の仕事を終えて自分の居間、書斎、寝室に帰ったときに

 「あーあ、今日も無事に生きててありがたい、

  また、あしたもこんな気持ちで・・・」

 なんていう尊い気持ちを持った人はなく

 「なんて忙しいんだろう。」と言って寝床に入ってもおちおち寝れないで

 あれをこう、あれをどうというふうに考えきっている。

 安眠どころか、トロトロっと寝たかと思うと、また目を覚まさなければならず、

 目が覚めれば、また馬車馬みたいにあくせく、

 因果なもんだなあと考えている人が多くないかい?

 人間というものは、終生、生きてる限りは、

 生活苦と闘うためにこの世に出てきたもんだとか、

 もうそれ以上の何ものでもないように断定しちまってるんだ。

 

・「心身統一法」

  健康と運命とを完全にする「生命要素」というものをつくることを

  その根幹としている。

  「生命要素」とは、健康と運命を両立的に完成するのに必要な「生命の力」

第二章 真の積極(せきぎょく)

・「積極的精神をつくる心得」

 第一の準備

  できるだけ自分の心を強く持つ努力をすること

  自分は万物の霊長たる人間なんだから

  その人間の生命には、今まで気がつかなかったけれど

  生まれながら与えられた天賦の積極的精神がある。

 第二の準備

  健康、運命、どんな些細な人事、世事に対して

  「今、現在の自分の心は積極的か、消極的か」ということを

  厳格に第三者の心になって、常に検討することが必要。

  己の心の中にあるものは、己の心を明るく朗らかにするもののみ、

  という心がけが必要。

  自分の現在考えている事柄を、同情、批判を乗り越えて、

  積極か、消極かということを断定することだ。

  それで少しでも消極的と思ったら

  颯爽たる勇気をもってそれを心の中から追い出してしまうこと。

 第三の準備

  ほかの人の言葉や行動のなかの消極的なものに自分の心を同化せしめないこと。

 第四の準備

  取り越し苦労をしないこと

  「さしあたる事柄のみをただ思え。過去は及ばず、未来は知られず」

  「心は現在を要す、過ぎたるは逐う(おう)べからず、

   来たらざるは向かうべからず」

  あれがああなったら、これがこうなって、これがこうなったら

  ああなりゃしないか、というように自分の気持ちを苦労と同居せしめて、

  しどろもどろの人がずいぶん世の中に多い。

  取り越し苦労をすると自分の命を削る大きな損害が来るんだとしっておかれたい。

 第四の準備

  どんな時にでも本心良心にもとった言葉や行いは断然しないこと

  本心良心と異なるとやましい観念のために心の力は常に委縮してしまう。

  本心良心にもとりさえしなかったら、

  自分の仕事に対して情熱の炎がえんえんと燃えるであろうし、

  常にその気持ちにムラというものがないことになる。

 第五の準備

  絶対に、消極的、否定的な言葉は口から出さないこと。

  悲観的な言葉なんか、断然もう自分の言葉の中にはないんだ

  と考えるくらいな厳格さを持っていなければ駄目だ。

  そこで、第一の手段は

  不平不満は口にしないこと

  お前の生き方に誤りがあるぞと自覚を促すために

  病なり不運なりが与えられたらこれは大きな恵みだ。

  それを考えたら、恨みどころか

  感謝にふりかえ喜びで誤りを是正する方へと

  自分の心を積極的に振り向けることが一番必要でしょう。

  悔んだり、嘆いたり、心を弱くする暇があるんなら、

  本来の積極的方面に心を振り向きかえる。

  結局、自分の心のおきどころひとつなんだ、人生は。

  うまくいかない時でも、「俺は運が悪いなあ」と思わないで

  「ああ、何か俺の心構えなり、方法なりに大きな間違いがあったのを

  こういう結果になって天が教えてくれているんだなあ」と考えなさい。

  「どこかに俺の筋道の違っているところがあるんだなあ。

  ああ、ありがたいことだ。

  このままつぶれてしまっても仕方ないのに、

  とにかく、生かしておいてくだされた。

  また盛り返すこともあるわい」と

第三章 悟入転生(ごにゅうてんせい)ー天風自伝

■「勇気」の編

第四章 恬淡明朗

第五章 より強く、逞しく

第六章 もはや何ものも恐れず

■「信念」の編

第七章 新天地を拓く(きりひらく)

第八章 幸福の醍醐味

第九章 大いなる我が生命の力

第十章 成功の実現