覚悟の磨き方 吉田松陰

松陰からの学び一

動きながら準備する

MIND SHOIN YOSHIDA

やろう、とひらめく。

そのとき「いまやろう」と腰を上げるか、「そのうちに」といったん忘れるか。 やろうと思ったときに、なにかきっかけとなる行動を起こす。それができな い人は、いつになってもはじめることができない。むしろ次第に「まだ準備

ができていない」という思い込みの方が強くなっていく。 いつの日か、十分な知識、道具、技術、資金、やろうという気力、いけると いう予感、やりきれる体力、そのすべてが完璧にそろう時期がくると、信じ てしまうのだ。

だがいくら準備をしても、それらが事の成否を決めることはない。 いかに素早く一歩目を踏み出せるか。いかに多くの問題点に気づけるか。い かに丁寧に改善できるか。 少しでも成功に近づけるために、できることはその工夫しかない。

よく行動する人は、知識は必要最低限でいいと考える。

なぜなら実際に動く前に、わかることなんてほとんどないと知っているから

である。

だからよく失敗する。だがそれで「順調」 だと思っている。

そのように私たちの脳は、自分の行動をうまく正当化するようにつくられて

いる。

小さくても、「一歩を踏み出す」という行為さえ続けていれば、「なぜこれが

「正しいのか」 脳が勝手に理由を集めてくれる。

吉田松陰は、行動につながらない学問は無意味だと考えた。

大切なのは、不安をなくすことではない。

いかに早く、多くの失敗を重ねることができるか。

そして「未来はいくらでも自分の手で生み出すことができる」という自信を、 休むことなく生み続けることなのである。

002

やり切るまで手を離すな

たいていの人はまだ序の口で、

いよいよこれからが本番だというときに、 自分の田んぼを放置して、

人の田んぼの雑草を取りたがるのです。

人の田んぼの雑草を取るというのなら、

まだいい方かもしれません。

一番多いのは、人が懸命に草を取っている姿を傍観して、 その取り方がいいとか悪いとか、批評ばかりしている人です。 まずは自分が今いるところからはじめましょう。

人生の喜びを十分に味わうために。

 

004懇願

お願いです。本当にお願いですから たった一回負けたくらいで、やめないでください。

007 後ろを見ない

ミスをして落ち込む暇があったら、

ただちに「次はこうする」と決めて、

新しい仕事に取りかかりましょう。

若ければいくらやり直したって、

たいした問題にはなりませんから。

008 なにを選ぶか、どう選ぶか

自分にとっての利 これをなるべく増やそう、残そうとすればするほど、

判断基準がぶれ、迷いが生まれます。 反対に自分の利益さえ一番後回しにできるなら、

やろうがやるまいが、どれを選ぼうとも、

物事は気持ち良く進んでいくものなのです。

自分のことを考えると、かえって自分のためになりません。

 

011 運が向かない人の考え方

壊そうとするから、壊されるのに、

打ち負かそうとするから、打ち負かされるのに、

人を見下すから、人から見下されるのに、

そうとは気づかずに、苦しんでいる人は本当に多いものです。

そしてすべてを失いそうになってもなお、

その原因を作ったのは自分自身なんだって、

考えが及ばないのは、本当に悲しいことです。

 

012 頭と心の関係

ご存じの通り、

すべての人の心には善と悪が同居していて、

その心がいいことも悪いこともさせます。

では性善"というのはどんなものかと言えば、

それは万人に生まれつき備わっているものですが、 やむにやまれず「いいことをしたい!」と思ったとき、 そうさせる心、それが〝性善〟に間違いありません。 ですが、間髪入れずに湧き上がる 「名声が欲しいから」とか

「得をしたいから」といった欲望が、「善」を邪魔してしまいます。

こういった欲望は、「善」を頭で考えるから、

生まれてしまうのです。

この頭から生まれるものを、

相手にさえしなければ、正義は実行できます。

頭のために、心をすり減らすほど愚かなことはありません。

頭は心を満たすために使うものです。

「心から満足できる行い」にもっと敏感になりましょう。

 

014 不安のない生き方

「先行きの不安」に心を奪われないようにするためには、

あれこれ目移りすることなく、

自分という人間を鍛えることに集中して、

「全力を出し切りますので、あとは天命におまかせします」 という心構えでいるのが、良いと思います。

017 感動は逃げやすい

山の小道というものは、 人が通っているうちは道ですが、

ひとたび人が通らなくなると、

すぐに草が生え、ふさがってしまうものです。

人の心も同じで、

良い話は誰もが好きだから、

すぐに影響されて「自分もがんばろう」と決意しますが、 なにも行動に移さないと、すぐに心から逃げてしまいます。

道ができるか、ふさがるかは一瞬です。

やってみましょう。

人はいつでも、いまこの瞬間から変われるのですから。

023 小さな肉体、無限の心

この肉体は自分、かつ一時的なものであり、

この心は宇宙、かつ永遠のものである。

というのが私の考え方です。

ですから、自分の肉体を誰かのために使っている人は、

いつもいきいきと輝いていますし、

反対に、自分の心を、自分の都合に振り回されている人は、 いつも暗い感じがいたします。

いつか肉体が消失したとしても、

まっすぐに生きた心は滅びません。

未来永劫、人々の心の中で生き続けるのです。

029 やる恥やらない恥

「やります」と宣言したことを、とりあえずやってはみたものの、

まったくうまくいかずに、恥をかいた。

「やります」と宣言したものの、もしうまくいかなかったとき に恥をかきそうだから、そうなる前にやめておいた。

二人の自分を鏡に映したとき、

本当に恥ずかしい人物はどちらでしょう? 

031 不器用の利点

すらすらと、うまくいったとしてもあまり意味がありません。 うまくいっても、なぜうまくいったのか、

人はすぐに忘れてしまうものだからです。

覚えが悪い方がよっぽどいい。

身体にしみ込むまで、くり返し努力できますから。

034 行動力を生む心がけ

日頃から威張っている人ほど、

いざっていうときになると黙りこんでしまいます。

日頃から「やる」って言いふらしている人ほど、 いざっていうときになるとなにもやらないものです。

未知なることを知ろうとすること。本質を見抜こうとすること。 その意識が一番、行動につながります。

035 恥ずかしいこと

凡人はまわりから浮いていることを恥じ、

賢人は細かいことを気にする自分を恥じます。

凡人は外見が地味であることを恥じ、

賢人は中身が伴っていないことを恥じます。

凡人は自分の評価が低いことを恥じ、

賢人は自分の才能が使い切れていないことを恥じます。

本当の恥を知らない人間が、私は苦手です。

036 感情が人生

照れないこと。冷めた態度を取らないこと。

もっと自分の感情に素直になりましょう。

不幸を聞けば泣けばいいし、

美しい景色を見れば、また泣けばいいのです。

感情は表現すればするほど、受け取る力が強くなります。 ありったけの心を動かして、人生を楽しもうじゃありませんか。

037 心を向ける先

うまくいっている人を見ると、気持ちが焦ってしまいます。

ついている人をみると、自分の運のなさに腹も立ちます。 でも、そんなものは巡り合わせだから、気にしなくていいので

す。

そんなことにかかわっている暇はありません。

一刻も早く、

「自分が今やらなければならない、

一番大事なことはなにか?」

をはっきりさせてください。

悩むべきは、そのことだけです。

039 なんでもやってみる

できないのではなくて、ただやっていないだけです。

まだやったことがないことを、

「怖い」「面倒くさい」「不安だ」と思う感情は、

過去の偏った経験が作り出す、ただの錯覚です。 実際にやってみれば、意外とうまくいくことの方が多いのです。

047 どうなったって平気

たとえどんなに追いつめられたとしても、

その追いつめられたぎりぎりのところから

いつでも起死回生をはかれるはずだと信じている

ある意味、楽天家じゃなければ、

リーダーはつとまらないと思います。

069 上に立つ人間の日常

どれだけまわりに嫌われたっていいのです。

無能だ、役立たずだと陰で笑われたってかまいません。

ただ組織が危機に陥ったとき、

心がぶれない、その覚悟さえできていれば。

日常を、非日常であるかのように過ごしましょう。

074 腹が据わっている人のおまじない

「一生やり続ける」

すごくシンプルですが

これほど多くを語る言葉もありません。

みだらな誘惑、未知の物事に対する恐怖、

手軽な安心感、どれも乗り越えることができるのは、

「一生やり続ける」この言葉が

背骨に叩き込まれている人だけです。

078 本気の志

人類が誕生して以来、

一つのことに本気で取り組んでいる人の姿を見て、 心を動かさなかった人はいません。

083 人である意味

人は「なんのために生きているか」で決まるのです。 心に決めた目標のない人間は、もはや「人間」とは呼びません。 もし思い出せないなら、今すぐ思い出す時間を作るべきです。

086 どう生きたいか

他人から馬鹿にされたくない。

皆そればかり気にするものです。

家がおんぼろだとか、服が時代遅れだとか、

ろくなものを食べていないとか。

しかし、人はあやういものです。

生きているときは生きていますが、

死ぬときは、もう死んでいるわけです。

今日はお金があっても、明日は一文無しかもしれませんし、

今日は皆から愛されていても、

明日は皆の心が離れているかもしれない。

ですから、私が大事だと思うのは、

ただ「自分はどう生きたいか?」 その方針に従って生活することなんです。

それが人の道というものじゃないでしょうか。

090 無尽蔵に掘り出せるもの

自分の外にあることは 求めたからといって、得られるものではありません。 外にあることというのは、

わかりやすく言うと、 「お金持ちになる」「有名になる」「人脈ができる」

みたいなことですが、

これらは結局、得ようとして、

得られるものではありませんから、

ここに心を尽くすのは馬鹿げています。

一方で、自分の内側にあるものは

求めれば、いくらでも得ることができます。

内側にあるものというのは

人を思いやる気持ち。

損得を考えずにやるべきだと思うことをやる気持ち。

礼儀を守る気持ち。

知らなかったことを、知ろうとする気持ち。

仲間との約束を守ったり、本音を言い合ったりする気持ち。

これらの気持ちは、

求めれば誰でも無限に手に入れることができます。

そして求めれば求めるほど、 自分と自分を取り巻く世界のことが好きになるのです。 いくら費やしても損はありません。

097 思い出すべきこと

能力の高さや、評判とは関係なく、

あなたにもひとつくらい、

得意なことがあることでしょう。

いったん他のことは中止して、

その得意なことに、

使えるすべての時間とすべてのエネルギーを

集中させてみてください。

忘れているのは、その覚悟ですよ。

098 その先には愛がある

心からやりたいと思うことはなんでしょうか。 それを「やりたい」と思うのはなぜでしょうか。

自分の欲求をとことんまで追求すれば、

皆、同じところに行き着きます。

「自分は自分のことを愛している。

そしてそれと同じくらい、皆のことも愛している」

ということに。

その性質は、天とか神様が作ったもの。

天とか神様というのは、もともと愛が好きなんですね。

099 欲しいものはすでに持っている

いまあるものを味わい尽くしましょう。

もう十分に受け取っているはずだから。

そういう態度を続けていれば、

他人が手に入れたものを欲しいとは思わなくなってきます。

欲しがらないでいると、

寡欲であるという評判が加わるから、

他人が着飾っているものも

自然に欲しいとは思わなくなってきます。

楽しみはいつも自分の中にあるもので、 環境は自分の幸福感に

なんら影響を与えるものではありません。

 

100 埋められないもの

自分にとって、なにが恥でしょうか。

義理を欠いてしまったことでしょうか。

まだ実績がないことでしょうか。

能力が足りていないことでしょうか。

役職や年収が人並み以下であることでしょうか

人からあまり好かれていないことでしょうか。

ですが、

人から敬意を集めようと、

いくら努力を重ねても、空しく感じられてしまうのは、

自分の力でどうにかできるのは、

自分の内側にあることしかないと、

すでにわかりきっていることだからです。

101 成功者の法則

後に大人物になった人が、

共通して行ってきたことは、

昔も今もたったひとつのこと。

それは身の回りに注意深く目と耳を傾けて、

どこかで、まだ世に出ぬ才能を見いだしたら、

他人がいくらその人のことを悪く言っていたとしても、 ためらうことなく声をかけ、交流することです。

108 恥ずかしがらずに手を差し伸べる

人が自分のために動いてくれないのは、 自分が人のために動いてないからです。 周囲に想いが伝わらないのは、 そもそも自分の志が浅いからです。

自分の身の回りだけではなく、世の中のことを見てみましょう。 役に立てることは、いくらでもあるのです。

あなたの助けはきっと必要なんです。

知らんぷりするなんて、別に格好良くありません。

111 壁を楽しめるかどうか

生まれつき才能をもった人はたくさんいます。

子どもの頃は、その才能が自然に輝いています。

ですが、その才能を磨き続けられる人は本当に少ないのです。

多くの人が

「才能さえあれば、途中で行き詰まることはないだろう」

と勘違いするからです。

才能はあったとしても、

なかったとしても、行き詰まるものです。 ただ行き詰まったときに、

「面白い」と思えるかどうかによって、 そのあとが決まってくるのです。

112 やってきたことのペースを守る

ひとたび才能が開花すれば、周囲にもてはやされるが故に、 才能に振り回され、潰れてしまう人だらけです。

本物になるまで二十年。

ただ、愚直に動いていればいい。

今がどんな境遇だったとしても、愚直に動いていれば、 いつか大きな花が咲くことでしょう。

126 本の持つ力

どんな本でもいいのです。

本を開いてみれば、その瞬間、人生が変わるかもしれません。 本にはそんな可能性を持った言葉が無数に転がっています。

でも読む人はあまりいません。

読んだとしても、ほとんどの人は

本に書かれている教えを真似しようとしません。

一度、真似してみればいいのにと切実に思います。

ひとつでもいいんです。

実際、真似してみたら驚くことだらけです。

そうしたらこんなこともできるんじゃないかと、 他にも試してみたいことがあふれてきて、 そのうち

「これは一生かかってもやり切れないな」

と気づくことになります。もっと早くやれば良かったと。

ああ、

とにかく、真似してみれば間違いないんです。

これは、

わざわざ言うことではないかもしれませんが、 言わずにはいられないのです。

150 嫌な人は鏡

愛されようとするのではなく、

こちらから愛しましょう。

尊重してもらおうとするのではなく、 こちらから尊重しましょう。

誰かが横暴な態度をとってきたら

「なにか失礼なことをしてしまっているのだろうか」

と自分の心に聞きましょう。

もし心当たりがなかったら、

「なにか身勝手なことをしてしまっているのだろうか」

と自分の心に聞きましょう。

ここまでは、やろうと思えばできることです。

いくら自分の態度を思い返しても、

自分には否がないと確信したとき、

急に相手のことが許せなくなるものです。

ですが、腹を立てても得るものはありませんから、

横暴な態度というものは、やんわり受け流すしかありません。

そのかわりに

「自分はどうすればもっと良くなれるか」

という反省をひとつ加えてみましょう。

反省をひとつ加えてみるだけで、

相手のことをもう少し許せるようになるはずです。

魅力あふれる人というのは、

自分の人生をどうするべきかと悩んでいます。 今日の悩みなんて、どうでもいいんです。

154 人が動物と違う理由

人には「五倫」、

つまり踏みにじってはいけないもの"が五つあります。 ひとつは親子の愛情、ひとつは自分が大切だと思う人の気持ち、

それから夫婦の役割を認め合う心、年上を尊敬する心、

そして仲間との信頼関係です。

人が人である理由は「心」にあります。

そして人は人の心に触れることによってのみ、 そこに進むべき道を見つけることができます。

動物には絶対に得られない、人であることの最上の喜びは、 「尽くしたいもののために尽くせること」です。

158 人生は目に宿る

人の心は、目を見ればわかります。

生き方はちゃんと目に宿っています。

目を見なければ、交流ははじまりません。

162 磨けばいつでも光る

人が生まれるとき、天は皆に才能を与えました。

でもほとんどの人は、目先の欲や些事にとらわれて、

その才能をためしてみようとすら思いません。

教えてあげましょう。

163 認められる順番

よそ者としてどう見られるかは、気にしないでください。

自分がやりたいことも、とりあえずは置いておきましょう。 自分が今いる場所で、自分ができる目の前のことを、

まずは精一杯やりましょう。

仲間だと認めてもらうのはそれからです。

165 やるならとことんまで

いいことをしたい。皆に喜んでもらいたい。

それはいいことです。

ただ残念なのは、

「月並みな奉仕」で考えが止まってしまうところです。 百にひとつ、千にひとつ、万にひとつの

「飛び抜けた奉仕」を考えてみませんか。

 

松陰からの学び

終わりを意識する

 

享楽にふけることで、一時的に忘れることはできる。

だがそれは静かに、着実に歩み寄ってくる。もしくは予想を裏切り突然やっ

てくる。

ひとりとして例外はなく、いつかは必ず対面する。

あろうことか、本人も知らないうちに。

死。 終わりを意識できるのは人間だけだ。

それでも懸命になって、死のイメージから逃れようとする人は、いつの間に 「人生はいつまでも続くもの」だと思い込まされているのかもしれない。 人生は長いと思う人もいる。 人生は短いと思う人もいる。 だが本気で生きるということは、

『わずかな残り時間でなにができるか」 を必死で考えることによく似ている。

やり残していることを、臆せずにやればいい。

死を意識すれば、人の生〟は否応なく正解を導き出すはずだから。

松陰は死罪だとわかっていながら、迷うことなく海外へ密航しようと試みた。 死ぬまで出られないとわかっていながら、牢獄の中で「人生とはなにか」を

学び、人に教え続けた。

三〇年という短い一生の中で、松陰が見つけた“死への決着〟とはなんだっ

たのか。

歴史思考 深井龍之介

 

「この世の物事はすべてがうつろう。だか

ら、『絶対』は存在しない。確実に存在す

るように思える『私』でさえ、絶対ではな

い。さまざまな物事との関係によって、今、

ここに存在しているように感じられている

だけだ」

私と他者の境界はあいまいだ

この認識に立つと、いったい何が起こる

でしょうか。

......悩みが消えるのです。

ゴータマの論理からいくと、

「私」と「他者」「社会」も絶対的な本質を持つものではなく、常にうつろう存在にすぎません。 つまりあなたはあなたのことを「あなたたらしめる絶対の本質」を持った存在として定義している。「あなたらしさ」や「あなたをあなたとして存在させる何か」があり、そ れは絶対に動かないものだと思っている。

でも、それが勘違いだということを、ゴータマは指摘しているのです。

ならばそもそも、悩みようがないということになります。 うつろう「私」がうつろう「悩 み」について苦しんでいるなんて、二重の幻想ですから。

びっくりしましたか? これはゴータマの哲学を受け継いだ大乗仏教を僕なりに勉強し

結果、たどり着いた結論です。

結論だけ見ればぶっ飛んでいると、僕も思います。

だけどゴータマの論理を一つひとつチェックしても、どこにもスキがなかったんです。 自分で仏教について調べてみてください。

釈 徹宗 他人を気にしない

それよりも大切なのは「今ここ」に 集中することです。日本人は昔から、 そのことの大切さを様々な形で伝えて きました。例えば能の「羽衣」という 演目は、身に着けると未来と過去のこ とを考えなくなる天女の羽衣が出てく る話です。また仏教の禅にある「前後 際断」という言葉は、前と後ろ、すな わち未来と過去を断ち切りなさいとい う教えです。仏教の開祖ブッダにも「過 去を追うな、未来を願うな」という言 葉があります。仏教だけでなく、キリ スト教ではイエス・キリストが「明日 のことまで思い悩むな。明日のことは 明日自らが思い悩む」という言葉を残しています。 いずれも、過去と未来を意識する心 の動きをストップさせることが、苦し みを減らすことに有効であると教えて います。過去と未来へ動いていく心を ストップするトレーニングとして、近 年特に有名なのが「マインドフルネス」 です。マインドフルネスはグーグルな どのIT企業が社員研修に取り入れた ことで一気に世界的ブームになりまし たが、もともとは仏教の修行法の一つ である瞑想を、ベトナムの僧侶ティッ ク・ナット・ハンが一般に普及させる 中で考案された身体技法です。 マイン ドフルネスも禅やブッダの言葉と同様 に、あちこちに広がっていく思考の動 きを抑え、「今ここ」に集中すること を目指します。 マインドフルネスがこ れだけ広がりを見せたのは、現代人の 生活がそれだけ「今ここ」に集中する ことが難しい現実にあることを示して いるのかもしれません。

 

PRESIDENT 2023.6.16

 

「おい、主人公」と 自分に声をかけよう

「ダンマパダ」という仏教の初期に成 立した経典に、「他人のしたこと、し なかったことを見るのではなく、自分 のしたこと、しなかったことを見よ」 という言葉があるのですが、それがヒ ントになると思います。私のところに 寄せられるお悩み相談を見ても、多く

の人が「他人の機嫌」に振り回されて、

悩んだり苦しんだりしています。

職場で嫌いな上司が出勤したら「今 日はあの人、機嫌いいかな」「機嫌が 悪そうだから近づかんとこ」といった ように、他人の機嫌を気にしている人 が、想像以上に多いのです。ぜひそう いう悩みを感じている人に知ってほし いのが、「不機嫌は”なったもの勝ち” の、幼児性の表れ」という事実です。 幼児が泣いたりすねたりすると、周り の人は泣きやませようと必死になって ケアしますよね。その経験を重ねて、 幼児の心のままで大人になってしまっ た人は、自分が不機嫌になることで他 人をコントロールできると信じている のです。さらに悪質な人の場合には、 自分がどんなときに不機嫌になるかと

いう「基準」を、あえて不明確にしま す。「昨日は同じことをしても機嫌が よかったのに、今日は機嫌が悪い」と なると、周りの人はその人物に対して どう振る舞えばいいかわかりません。 その結果、さらに気を遣うようになる のですが、それが狙いなのです。

そういうタイプの人が近くにいたら、 絶対にすぐに離れることをお勧めしま す。そういう人物の近くで長い時間を 過ごしていると、自分の人生なのに「自 分が主人公」ではなくなってしまいます。 ずいがん おしょう 昔、瑞巌という和尚さんがいました。 瑞巌は毎朝、「おい、主人公」と自分 に語りかけ、「おまえは他人に振り回 されずに生きているか?」と問いかけ ていたそうです。読者の皆さんも、ぜ

ひ「自分が主人公」の人生を生きてい

るか、瑞巌を真似して自分に語りかけ てみてはいかがでしょうか。

幸せに生きていくのに役立つのが、 「人間関係の煩わしさをあえて引き受 ける」ことではないかと思います。 先 ほど紹介した心理学者のアドラーも、 「共同体感覚」という言葉で、あえて 人間関係の渦中に入ることの大切さを 説いています。 人間関係というのは、 嫌な部分もありますが、それを避けれ ば避けるほど、悩みも深くなり、問題 も解決しないのです。 人間関係にむし 自ら参加して、自分の課題をしっか と引き受けることが、人の幸せにつ ながっていくとアドラーは説きます。 そう考えると、中高年になって「自 分は平凡だ、何者にもなれなかった」 と感じている人は、むしろその平凡さ を武器に、いろんな場に参加してみる とよいのではないでしょうか。それを 私は「縁起の実践」と呼んでいます。趣味のサークルや、近くでやっている 勉強会、ヨガや瞑想などの体験会、 そ 最近は大人の 「寺子屋」のような 場もあちこちにあります。そうやって いろんなコミュニティに重なって所属 してみると、それぞれの場で「違う自 分」が顔を出すことに気づくと思いま す。 50代のビジネスパーソンの自分が、 あるサークルでは子どもらしく振る舞 えたり、別の場では自分の中の女性ら しさに気づいたり、また別の場では老 人になったつもりで考えたり・・・・・・。そ

んなふうに「多様な自分」が一つの体 に重なっているというイメージを持つ とても生きるのが楽になると思う のです。しばらく続けてみて、どうし ても 「合わないな」と感じるコミュニ ティがあれば、無理せず離れても大丈 夫です(空の実践)。

私はずっと高齢者介護の仕事にも携 わってきましたが、介護の現場で最も 手がかかるのが、「自分はこういう人 かたく 間なんだ」と頑なに自分のイメージに こだわる人です。高齢男性に多いので すが、それまでの人生で積み上げてき た仕事や経歴にプライドを持っていて、 場に応じて変わることが難しい人は、 幸せそうに見えません。それに対して、 場面場面で柔らかに、自分の中の老若 男女を使い分けられるような人は、介 護する側も気持ちよくサポートでき、 本人もとても快適に暮らしているよう に見えます。最近の世の中では「ダイ バーシティ」の大切さが叫ばれていま

すが、自分一人の中にも「多様性」を 育てることが、生きづらさを解消する

うえでも役立つはずです。 人間関係の悩みへの対処法をお話し してきましたが、どんなに心を整えよ うと、時には乱れてしまうこともあり ます。そんなときに私が実践している のが、前ページ上で紹介している「ブ ツダの呼吸法」です。 人から嫌なこと を言われて心が揺らいだなと感じたら、

ぜひやってみてください。

 

他人に時間を奪われない!自分軸

で楽に生きる5つのヒント

1 前後際断

4 ブッダの呼吸法

生涯にわたって 話が起こるこ うした「自分の内面の表現」は、 るのではないでしょうか。 分の内面を表す言葉に出合うことにあ 読んだり、人と語り合ったりする中で、 きやすくなっていきます。 人間が本を だって学び続ける意義は、自 人間関係良好になって、結果的に

「今」だけに集中し、前後 (過去と未来) を考えない ように心がけて、心のバランスを保とう。 ブッダも 「過去を追うな、 未来を願うな」という教えを残し ている。

ブッダも行っていた仏教の瞑想方法の一つ、 「アーナバーナサティ」で心のバランスを整えよう。 様々なステップがあるが、簡単でおすすめなのは 「数を数えながら長く吐いて、短く吸う」という 吸法。

絵を描いたり、楽器を演奏したり、ダ

言葉でなくてもいいのかもしれません。

2 自分に集中

(やり方)

「イチ」(長く吐く) 短く吸う「」(長く 吐く短く吸う (繰り返し)

他人と比較するから、悩みが生まれる。 自分が何 をなすべきかに意識を集中させよう。 仏教の最初 期の経典「ダンマパダ」 には、「他人のしたことと、 しなかったことを見るな。 ただ自分のしたことと しなかったことだけを見よ」というブッダの教えが 記されている。

5 言葉の成熟

は今より

のですが、それが狙いで その結果、さらに気を遣うようになる どう振る舞えばいいかわかりません。 なると、周りの人はその人物に対して よかったのに、今日は機嫌が悪い」と す。「昨日は同じことをしても機嫌が いう「基準」を、あえて不明確にしま

他人を気にしないようにするには、そもそも衝突 を防ぐことも大切。 人とわかり合えるようになるた めに、本を読んだり語り合ったりして、自分の気持 ちを表現する語彙を増やそう。

3 縁起の実践、 空の実践

できたわけです。そう考えると、今、 間はこれだけ文明を発展させることが 思考できるようになったからこそ、人 そんなふうに今この瞬間以外の時間を りすることができるようになりました。 に思いを馳せたり、過去を振り返った 認知能力を発展させる中で、遠い未来 なんて考えませんよね。人間だけか

O

趣味のサークルや地域のつながりなど、 自分の 所属をたくさん作ろう (縁起の実践)。 多様な自分 が育まれ、柔軟に生きられるようになる。どうして も合わないコミュニティには、執着せずに離れて もよい (空の実践)。

 

 

 

 

 

 

すべきを捨てる インド瞑想紀行 小池龍之介

大乗仏教の修行僧、シャーンティデーヴァ、の著書

「入菩薩行論」

この本の底本が「菩薩を生きるー入菩薩行論」シャーンティデーヴ著、寺西のぶ子訳、長澤廣青監修、バベルプレス

 

[菩薩を生きる入菩薩行論』第5章 60~70]より

「心よ、どうしておまえはこの身体を守り、 自分のものだと思っているのか。 身体がおまえにどう役に立つというのか。

おまえと身体は、それぞれ別の存在だ。

木彫りの清潔な体を手に入れればよいではないか。

愚かな心よ

不浄を生む不潔な機械が、

どうして守るに値するのか。

心の想像力で

まず身体を覆う皮膚を取り除き、

次に智慧の刃で、

骨格から肉を引き剥がせ。

骨を一つひとつばらばらにして、

骨の髄まで調べたら、

疑問が浮かぶだろう。

本質はどこにあるのか。

どれほど探しても、

本質などないのに、

なにゆえおまえは、これほど執拗に、

今持てる身体を守るのか。

心よ、身体が排泄するものは食べられず、

その血もまた、おまえの飲み物ではない。

その内臓も、すするには向いていない。

では、おまえは、この身体をどうするつもりなのか。

とはいえ、維持していれば、 おまえがどう使うかにかかっている。

禿鷲や狐の餌にはなるだろう。

この人間の身体の価値は、

どれほどおまえが守って維持しても、

無慈悲な閻魔が奪って、

犬や鳥に投げ与えたら、

おまえに何ができるのか。

使用人は、働かなければ、 日用品も衣類も、もらえないというのに、 養われていながら、いずれはおまえを見捨てるこの身体を、 なにゆえおまえは、苦労して維持するのか。

この身体にはそれ相応の報酬を与え、 必ずおまえのために役立てよ。 完全な利益をもたらさないものに、 気前よくすべてを与えてはいけない。

おまえの身体は乗り物であると、 あちこちへ行くためのただの舟と、考えよ。

衆生に利益をもたらす、

すべての願いに応えるものとせよ。

自らを制し、

額にはいつも微笑をたたえよ。

険しく、怒りに歪んだ表情はやめ、 誰に対しても誠実な友人でいよ。」

 

[菩薩を生きる入菩薩行論』第八章 三九~四七]

「今生でも、転生の後でも、 欲望はあらゆる不幸のもと。 こんじょう 今生では、殺害、拘束、傷を、

転生の後では、地獄の苦や他の苦をもたらす。

さまざまな褒美で手なづけた男女の使いに、

娘との間を取り持たせ、

求愛のためには、

罪も、悪い評判が立つ行いも、

きわめて危険な行為も、 散財も、破産もいとわない。 すべては悦楽と至上の喜び、 この上なく心をとりこにする口づけのため。

だが、その相手は、自己も自主性も持たない、 骨の集まりにすぎない。 これが、欲望と性欲の唯一の対象なのか。 すべての苦しみや悲しみから、早く解脱せよ。

娘の顔を上に向けさせようと、どれほどの苦労をするのか。 娘の顔は慎ましくうつむき、

見覚えがあるにせよ、初めて見るにせよ、 その顔は、ずっとベールに隠されている。

あれほど思い焦がれた、その顔。

いよいよここに、禿鷲がベールを外した。

よく見えるように、禿鷲がベールを外した。

これはどうしたことか。もう逃げ出すというのか。

かつては嫉妬に駆られて守り、 他の男の目に触れぬようしたその顔、 今では墓場の鳥の餌となったその顔を、 強欲な者よ、守ってはどうだ。

よく見るがよい、この人間の肉の塊を。 今では死肉を食らう獣の餌だ。 他の生きものの糧を、 花輪や、白檀や、宝石で飾るというのか。

再び見るがよい、この骨の山を。

生気はなく、動きもしない。なぜ、それほど怯えるのか。 不思議な力に操られるように、この死体が歩き回っていたときは、 なぜ恐ろしくなかったのか。」

 

 

 

玄侑宗久

生きることが常に楽しみになる考え方

だから自分の人生に自分で物語を被せて不 自由にすることはないと思うんです。 自分に は「既にすべてが与えられている」ということ、 そして「すべてのことは自分が何かを学び、 深まるために起こる」ということを自覚して、 常にどう変わるか分からないいまを尊く生き ることが人生の大切なテーマだと思います。 宇宙は進化し、私も進化し続けて、死の間際 に最高潮に達する、と私は確信してますね。 だから生きることが常に楽しみなんです。 

福岡伸一著 ルリボシカミキリの青 

 

瞬く星は風にかき消されそうだけど、わずかな輝きは失われることがない。でもその光は果てしなく遠くにある。君は、その時、そんな気持ちを忘れないでいてほしい。それは時を経て、くりかえし君の 上にあらわれる。

調べる。行ってみる。 確かめる。また調べる。可能性を考える。実験してみる。失われてしま ったものに思いを馳せる。耳をすませる。目を凝らす。 風に吹かれる。そのひとつひとつが、君 に世界の記述のしかたを教える。

私は、たまたま虫好きが嵩じて、生物学者になったけれど、今、君が好きなことがそのまま職業に 通じる必要全くないんだ。

大切なのは、何かひとつ好きなことがあること、

そしてその好きな ことがずっと好きであり続けられることの旅程が、驚くほど豊かで、君を一瞬たりともあきさせ ることがないということ。そしてそれは静かに君を励ましつづける。最後の最後まで励ましつづける。

ルリボシカミキリの青。

その青に震えた感触が、私自身のセンス・オブ・ワンダーだった。そ して、その青に息をのんだ瞬間が、まぎれもなく私の原点である。 私は虫を集めて何がしたかったのだろう。

それは今になるとよくわかる。フェルメールでさえ作りえない青の由来をつまり

こに世界のありようをただ、記述したかったのだ。

 

 

 

未来を変える 偉人の言葉 監修 和田孫博、塩瀬隆之

●はじめに

物事の見方は、

自分が「変えたい」と

思えば変えられる

ルフレッド・アドラー

 

●2章「決意」で未来を変える章~今より一歩前に踏み出すためには

視覚障害者と健常者の間には、超えられない一線があり ます。ただ、同じ“感覚”を共有しているのも確かです。 わたし達は想像力と勇気を分かち合うことで、“感覚”を 超越した“叡智” を手に入れることが出来るでしょう

ヘレン・アダムス・ケラー/アメリカ合衆国の教育家社会福祉活動家

 

●3章「寛容」 で未来を変える章〜リーダーとして生きていくためには 3章

他人と比較して

ものを考える習慣は、 致命的な習慣である

バートランド・ラッセル/イギリスの哲学者

 

●人に対して感じるあらゆるいらだちや

不快感は、自分自身を理解するのに

役立つことがある

カール・グスタフユング/スイスの精神科医・心理学者

 

●行いは俺のもの、

批判は他人のもの

私の知れた事ではない

動乱の幕末期に活躍した勝海舟戊辰戦争では 江戸幕府側の人間として西郷隆盛と話し合いを 行い江戸無血開城に貢献した。 幕臣でありなが ら、幕政批判や開国を唱え、数多くの批判を受 けたが、自分の行いとそれに対する他人の批判 を切り離して考えていたといわれる。原文「行 歳は我に存す毀誉は他人の主張、我に与から ず我関せずと存じ候。」

勝海舟/武士・政治家

 

●column 03

「本」を読み、 「旅」をせよ

多様性と包摂の時代と言われるが、組織が抱える課題は見せか けの多様性によって解決どころかより問題を複雑にする逆効果 になることも少なくない。 その失敗事例の多くは、受け入れた はずの「違い」に対する不寛容さによって引き起こされてしま 「違い」を排除することで解決を焦るも、違いがなければ それこそ、多様さは有名無実化して意味をなさない。無論、共 を強制せよというつもりではなく、より論理的にその「違い」 を理解し、受け止めるべきである。

正方形タイルをただ並べて一つ一つを交換するだけならば、も はや管理の意味をなさない。 ステンドグラスのように形も大き さも色も異なる一枚一枚のありのままの価値を見いだし、それ に見合う「居場所」を調和的に導き出す力が欠かせない。それ が、これからのリーダーに求められる素養の一つになる。

パスカルは、個性をより多く見いだすことこそ 「知性」によっ てもたらされると説いた。 ラッセルは、自分以外の「さまざま 「な外の世界」に興味をもつことが、違う意見に耳を傾ける一歩 だと考えた。 パスカルラッセルの教えを現代にとりいれるな ら、それは多様な知性にふれる読書と多様な外の世界と出会え る旅行が助けになるに違いない。

許すというのは簡単なようでいて、とても難しい。 寛容で未来 を変えるリーダーであるために、「本」を読み、「旅」をせよ。

塩瀬隆之

 

4章「挫折」 で未来を変える章~挫折・失敗を乗り越えるために 

"Nothing is impossible, the word

itself says "I'm possible"!

不可能なことなどないわ。 だって“不可能” という言葉が、 「私は、可能」 って言ってるじゃない!

オードリーヘップバーン/イギリス国籍 (ベルギー生まれスイス死没)の女優

 

●愛はお互いを

見つめ合うことではなく、

ともに同じ方向を

見つめることである。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ/フランスの作家

●人生は経験しなければ

理解できない教訓の

連続である

ラルフ・ワルド・エマーソン/ アメリカ合衆国の思想家・哲学者

 

●学而不思則罔

 思而不学則殆

 

学びて思わざれば則ちくらし、

思いて学ばざれば則ち 殆し(あやうし)

孔子/中国の思想家・哲学者

 

●俺は、全力でバットを振る。

振り切る。デカい当たりを かっ飛ばそうが、大振りし ようが関係ない。俺は、ビッグに生きたいんだ

ジョージ・ハーマン・ルース・ ジュニア (ベーブ・ルース) / アメリカ合衆国のメジャーリーガー