おかげさまで生きる_矢作直樹(著)

 

f:id:nimoblog:20201219115801j:plain緊急医療の先生だからこそ、死を直視でき、その結果、現世を如何に生きるかという意味を問うた書である。

以下、本書のポイントを綴り、自分の糧としたいと思う。

 

死を心配する必要はない。

死の前にやるべきことは、自分の人生を全うすること。

自分の人生を全うするということは、自分を知る、ということ。

自分を知るとは、他人を知ることにもつながる。

他人を知ることなくして自分を知ることはできない。

良きも悪しきも、おかげさま、ということを人は学ぶ。

人は皆、人の役に立つように自分の人生を生きており、

大いなる存在に生かされていることに感謝したい。

死を心配せずに「毎日を、今を楽しく生きること」が、

今回の人生を与えられた私たちの使命である。

 

【学ぶべき重要なポイント】

 ■見えないものに意味がある

(1) 10分の間にある生と死の境

  ●100人いれば100通りの死がある。

(2) 今日も朝日を浴びられることがありがたい。

(3) 死は怖いものではない。ただ知らないから怖いだけ。

(4) 気は生命の源

  ●全身がプラスのエネルギーで満たされると病気になりにくくなる。

(5) 言葉で伝わらないことが手で伝わることもある。

  手を当てる、手を握る、ことで、私たちは気力を交換している。

(6) 人生は寿命があるからこそ素晴らしい。

(7) 生きることとは死ぬこと。

  あるがままに自分を受け入れ、「すべては学びである」と知る。

(8) 人事を尽くして天命を待つ。

  自分ができることをやり尽したら、あとは運を天に任せる。

(9) 独りで逝く人も、孤独ではない。

  向こうで待ってくれている人々がいるので心配要りません。

  どこで逝こうと魂にとっては同じです。

  旅立つ方の晴れ晴れとした気持を静かに実感してあげてください。

  どこで逝こうと自分は自分なのだという気持ちを忘れない。

  去り逝くかたちに違いはない。

■ 答えは出すものでなく、出るもの

(1) 急いてはことを仕損じる。待ってみる。任せてみる。

  時代のスピード感は勝手に作り出されるもの、

  巻き込まれてイライラせず待つことを大切にしよう。

(2) 決断に迷いは持たない。

  理不尽な状況でも覚悟を決めなければ前には進めない。

(3) 死から逃げない、目をそらさない。

  今日と同じ明日が来るかどうかはわからないのだから

  平均寿命まで生きることだけを目標にしない。

(4) 忙しい時こそ、周りを見渡す

  仕事や子育てに忙しい時こそ、政治や経済に目を向ける。

  30代、40代の頑張りに日本は支えられている。

  だからこそ社会の動きに関心を向けよう。

(5) 半径5m外の人の間で揉まれること

  人は、自分と違う考え方、価値観を持つ相手とのコミュニケーションの  

  積み重ねで成長する生き物です。

  内向きが続くと「おかげさまで」が感じられなくなる。

  受動的な自分に溺れず、勇気をもって能動的に動きましょう。

  動いた分だけ」のスペースが、その人にとっての新しい世界であり、

  その分だけ人生の選択肢が増えます。

       余計な物欲がないのは、いいこと。多くのトラブルを避けられる。

(6) 今の人生は一度きり、今回限り

  誰にも愛されていない人はこの世の中に存在しない。

  いじめた相手の苦しみは、いじめた人に必ず跳ね返る。

(7) 「無理=道理に反すること」が、私たちを苦しめる

  無理せず等身大で生活すればいいだけなのに、周囲の評価や人の目を

  気にするあまり、自分のやるべきことを全うできず、最後まで

  ストレスまみれになって苦しむことになる。

  自分が思っているほど、周囲は自分のことを気にしていない。

  心はコロコロ変わるもの。

  我欲に目がくらむとストレスにまみれてしまうだけ。

  我欲に目がくらむとストレスにまみれてしまうだけ。

(8) 「つかんだら手放す」という習慣

  自分をクリーンアップ浄化できる。偏った感情に浸る癖がつかなくなる。

  常にニュートラル中立な状態でいられる。冷静に対処できるようになる。

  成功/失敗の線引きの感情が次第に消える。

  「周囲に良く思われたい」という執着がなくなるだけで実に快適。

  出来事に対する最終評価は自分で下すものである。

  「反省すれども後悔せず」という心構えが重要。 

■ 欲しがるのをやめる

(1) 人生の課題はしかるべき時に解決しないと追いかけてくる

(2) 立場をわきまえると信頼を勝ち取れる

  「立ち位置を知る」「分(ぶん)を知る、分をわきまえる」

  自分をいかに客観視できるか

  自分の位置を俯瞰できるか

  自分の置かれた場所を知る

  客観視ほど強い武器はない

  それができないと、不遜になったり、卑屈になりがち

(3) 年相応に欲の始末、欲の整理をする

  私たちがあの世に持っていけるのは、様々な経験から得た記憶だけ

  物欲に振り回されてはいけない

  様々な物は私たちを楽しませてくれる半面、

  私たちを苦しめることもあるのだと知ることが重要

(4) 体が衰えても楽しいことは見つかる  

  エイジング(加齢)を楽しむ余裕を持つ

  余計な見栄を張らず、周囲の評価を気にせず、

  自分らしく生きている人は輝いて見える

  肩の荷が下りて、人生が少し楽になるのではないでしょうか

(5) つながりを切らすに、しがらみを断つ

  私たちの内側には、孤独感、分離感、という感情が存在する

  自分は一人ぼっち、誰にも理解されない、周囲とうまくやれない、

  周囲、他人との感情面での「つながり」を感じられない

  これは、いつもつながっているはずの感覚が鈍くなっているだけの状態

  つながりを見失った不遜な状態だからである

  この感情の大本おおもとは、「自縛=自分を縛るもの」という領域

  自分を縛っているのは、外的な何かではなく、自分自身

  人生は、ギブ・アンド・テイクではなく、ギブ・アンド・ギブだ

  見返りを期待せず惜しむことなく与えると、

  いつしか全く別のところから自分のもとへギフトが届く

  与えたら忘れていしまえばいいのです

  やってあげているのにという感情をどんどん手放しましょう

  自分がしたいからそうしていると勝手に考える

  何か一つだけで結構ですので、

  今の自分の持つ「しがらみ」「譲れないと思っている考え」を

  手放してみてください

  学校や会社は絶対に休んではいけない、年収はこれくらいないといけない、

  家は持つべき、結婚しないといけない、、、など

  しがらみが強いと周囲とのつながり間が薄れる

  →これは、皆違う価値観で生きているという基本的なことを忘れてしまうからだ 

  「実はどうでもいいこと」と考えて、あなた自身を思い切って解放しましょう。

  「人生で起こる大半のことは些細な事」

  「こうでなければいけないという生き方マニュアルはない」

  もっと思いのままに行動してください、そもそも皆、自由なのだから

  どこで生まれたのかよくわからない考え方にこだわって自分を縛ることはない

■ 評価は誰かの思い込みに過ぎない

(1) 蒔いた種は自分で刈り取る

  悪いことが起きたら、学びのチャンスと考える

  いつまでも自分を責めずに良いことに目を向ける

  原因の結果として起きることをありのままに認めること

  どこに視点を定めるかは自分次第

(2) いつもお天道さまが見ている

(3) 良し悪しは、常にあやふやなもの

  良し悪しの尺度には限界があり、  

  生きていくために、もっと大切な基準、必要不可欠な

  「つながり」という感覚を意識することが大事

  人も事象もすべてつながっている  

  すべての人が自分の写し鏡だ

  この世のことにはすべて何らかの意味がある、

  と同時に、意味が分からないこともたくさんある

(4) 人生は「運・鈍・根・金・健」

  周囲に振り回されずに自己実現するには、

  運気・鈍感・根気・金銭・健康が大切な要件 

  目に見えないものには敏感に、世の中のせわしなさには鈍感に

■ 人は魂でつながっている

(1) 挨拶は思いやりの作法であり、お互いの生存確認である

  自分が口にした言葉には責任を持つ

  非礼な言葉を口にすべきではない

  「結」は昔国内にあった農作業における相互扶助の仕組み

(2) 日本人の特徴「愛・調和・寛容」

(3) 神道はすべてのものをありがたいと感じる力

  すべてのものは、神様から賜った命を大事に共に生きる仲間

(4) 「清明正直」に生きる

  せいめいせいちょく、じょうみょうせいちょく、と読む

  神道には清明正直のこころがある

  西行法師の名句

  「なにごとの おわしますかは しらねども かたじけなさに なみだこぼるる」

  心を清らかにし、正しく、素直に

  いつもそう祈りながら自分の道を歩む

(5) この世は競技場であり、私たちは今を生きるプレーヤー

  目には見えなくても観客席では他界した人々が私たちに声援を送っている

  いつか彼らと再会する日を楽しみに今を一生懸命生きよう

(6) 日本人に受け継がれてきた「別品の心」

  別品の心を持つということは、

  人と自然を愛し、易きに流れず、自利・利他の精神

  をいつまでも発揮するということ

  何事も思い込まない

  思い込みはことの本質を知らないくせに予断を持つということ

(7) 過去は変えることができる

  【重要】

  時間とともに起きた出来事の意味は変わる

  今を楽しめば過去は変わる

  昔のことにこだわらない姿勢こそ、快適な人生を送るための心構え

  執着しなければ両手が空き、新しい経験が得られる