日常の心得 中村天風師著

日常の心得

◼️寝ぎわの心がけ

(一) 連想暗示法

●「悲しいこと」「腹のたつこと」「気がかりなこと」など消極的なことは寝床の中に一 切もちこまない。明るく朗らかに生き生きとして勇ましい積極的なことを連想する。

(二)命令暗示法

●鏡に映る自分の顔に、自分のなりたい状態を命令的な言葉で、たとえば、「お前は信念が強くなる!」 「お前はもっと元気が出る!」と発声する。

[実行ポイント]

・真剣であること。

・「つぶやき」くらいの声でよい。

・一回一事項であること(二回も三回も繰返さない)。

・命令したことが現実化するまで同一命令を続行すること(途中で他のものに変更しない)。

・一日中、折あるごとにやってよいが、寝ぎわにやるのが効果的。

◼️目ざめ直後の心がけ

(三)断定暗示法

●前夜、命令したことを、すでに具体化された状況で、断定した言葉で表現する。 例えば、前夜 「お前は信念が強くなる」と命令したら、それを「私は、きょうは信

念が強くなった」と自分の耳に聞こえるように言う。

[実行ポイント]

・目ざめた直後にやること

・鏡を用いても用いなくてもよい。

・一日中、回数多くやる方がより効果的。

◼️日常の心がけ

(四) 言葉づかい

「困った」「弱った」「情けない」「悲しい」「腹が立つ」「助けてくれ」・・など、消極的な言葉は絶対に口にしない。

(五) 感謝一念

●不平不満を言わず、「正直・親切・愉快」(三行)を生活のモットーとする。

(六) 三つの禁止(三勿さんこつ)

「今日一日、怒らず、怖れず、悲しまず」 の実行。

(七) 内省検討

●心が積極的か、消極的か、常に客観的に検討し、少しでも消極的なものは追い出す。

(八)暗示の分析

●他からの暗示事項を常に分析し、積極的なものは取り入れ消極的なものは拒否する。

(九)交人態度

●明るく朗らかに、生き生きとして勇ましい態度で何人にも接する。

[実行ポイント]

・特に不健康・悲運の人に対しては、鼓舞、奨励以外の言葉は口にしない。

(十) 取越苦労厳禁

●「さしあたる、その事のみをただ思え、過去は及ばず、未来知られず」

(十一) 正義の実行

●本心良心に悖った言動は絶対にしない。

◼️有事の心がけ

(十二) クンバハカ法

●感情、感覚の刺激、衝動を受けた瞬間、まず第一に肛門を締め、同時に、肩の力を
抜いて、下腹部に力を充実させる。

(十三) 呼吸法

●クンバハカ体勢をとりながら、まず肺の中の残気を十分に吐き出してから、息を深
く吸い込む。

[実行ポイント]

・静かに、深く、長く行う。
・日に何度でも意識的に行う。

 完!!